リスクアセスメント

リスクアセスメントは誰がやる? その担当者について労働安全衛生法に基づき解説

更新:2025.01.26
スマートSDSメディア編集部
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化学物質を扱う事業場はリスクアセスメントを行わなければなりませんが、リスクアセスメントを行ったことのない事業者はその実施体制がわからないことがあるのではないでしょうか?

本記事では、リスクアセスメントは事業場の誰が行うべきなのかや、業務の担当者について解説していきます。

リスクアセスメントとは

化学物質管理におけるリスクアセスメントは、労働安全衛生法において「化学物質等による危険性または有害性等の調査」とされているもののことを言います。

厚生労働省では、リスクアセスメントを「事業場にある危険性や有害性の特定、リスクの見積り、優先度の設定、リスク低減措置の決定の一連の手順をいう」としており、リスクアセスメントの結果に基づいて事業場のリスク低減措置が実施されるという意味で非常に重要な業務であると言えます。

リスクアセスメントはリスクアセスメント対象物については実施が義務付けられています。リスクアセスメント対象物とは安衛法で定められる通知・表示義務対象物質に当てはまる896の物質を指し、その一覧は職場の安全サイトで確認できます。

また、リスクアセスメント対象物は2025年4月1日および2026年4月1日の労働安全衛生法改正によってそれぞれ約700物質ずつ追加されることが決定しています。これまで義務対象でなかった事業場も義務対象となる可能性があり、対応が求められます。

なお、政令で定められるリスクアセスメント対象物以外の物質に対しても、労働安全衛生法第28条の2ではリスクアセスメントの努力義務が定められています。

リスクアセスメントは誰がやる?

では、リスクアセスメントは誰が行うのでしょうか?

結論としては、リスクアセスメントを行う事業場の労働者まで含めた事業場全体として行う必要があります。

そもそも、2022年に示された自律的な化学物質管理の指針には、リスクアセスメントに対する労働者の参画を通じて労働者の危険性・有害性における認識を向上させるという趣旨があることに加え、その結果について労働者への意見徴収をする義務が定められています。

また、事業者としても現場に精通している労働者をリスクアセスメントに参加させた方が効率よく作業を行えるでしょう。

リスクアセスメントの担当者

リスクアセスメントには現場の労働者まで含めた事業場全体で行うべきですが、その管理や技術的な事項に関しては専門的な役職についたものが行います。

事業者はこれらの役職に就く者に対してリスクアセスメントを行うための必要な教育を行わなければなりません。

総括安全衛生管理者

総括安全衛生管理者はリスクアセスメントの実施の意思の決定や、全体的な実施の統括管理を行います。

総括安全衛生管理者は事業場の事業全体を統括管理するものと定められており、基本的に工場長や作業所長などの名称を問わず事業場のトップが該当します。

また、事業場の規模によっては総括安全衛生管理者が選任されていない場合がありますが、その場合でも事業場のトップがリスクアセスメントにおけるこの役割を負います。

化学物質管理者

化学物質管理者はリスクアセスメントの技術的事項を管理します。具体的には、SDSの作成やリスクアセスメント記録の保存等の業務を管理します。

2024年4月1日の労働安全衛生法改正で、リスクアセスメント対象物を扱っている事業場に対して化学物質管理者の選任が義務化されました。また、選任義務の対象の事業場では化学物質管理者に選任される者は厚生労働省の定める専門講習を受けていなければなりません。詳細は次の図を参考にしてください。

化学物質管理者の具体的な業務や資格要件については、別記事「【2024年選任義務化】化学物質管理者とは? 資格要件や職務、義務化対象についてわかりやすく解説」で詳しく解説していますので合わせてご利用ください。

保護具着用管理責任者

保護具着用管理責任者は名前の通り保護具使用の選択や、その管理を行います。具体的には呼吸要保護具や保護衣、保護手袋など数々の保護具の中から事業場に適切な保護具を選択し、その保管や交換を行います。

保護具着用管理責任者も2024年4月の労働安全衛生法改正で、保護具を使用する事業場に対して選任が義務付けられたものになります。

以下に事業場内での総括安全衛生管理者、化学物質管理者、保護具着用管理責任者およびその他事業場職員の関係図を記載します。

リスクアセスメント担当者の位置付け

また、これらの担当者がリスクアセスメントに関する特定の職務を行う際には、内部または外部の専門家の助言を受けても良いとされています。

具体的には、化学物質管理専門家や作業環境管理専門家などの役職があげられます。

まとめ

リスクアセスメントは職場全体として行いますが、そのうちの特定の仕事については役職に就いた担当者が行います。

そしてリスクアセスメントを行う際の基準となるのがSDSです。リスクアセスメントはSDSの内容を元にとり行われますが、肝心のSDSがしっかり管理できていないと職場全体でリスクアセスメントを行うのに大きな手間がかかります。

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