更新:2026.01.27スマートSDSメディア編集部

化学品のGHS分類SDSやラベルを作成する際に必ず行わなければいけないのが、化学物質に対するGHS分類です。
GHS分類の結果はSDSの多くの項目に関わってくるため、分類を誤るとSDSの全体的な不備にもつながりかねません。
本記事では、GHSの分類や区分、絵表示について一覧をもとに説明したのち、GHS分類のやり方についてわかりやすく解説します。国内におけるGHS分類は2025年末のJIS改正で区分の変更等が行われたため、多くの企業で対応が求められるテーマです。ぜひご活用ください。
スマートSDSでは、こうした化学物質管理の法改正の最新の動向を踏まえ、「SDS関連業務の業務課題チェックシート」を無料で配布しています。ぜひダウンロードして業務にご活用ください。

GHSとは、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals)」の略語で、国連によって定められた化学品の危険性や有害性を判断するための世界的に統一された一定の基準と分類システムのことを言います。
化学品は国際的に取引されます。その際、国や地域ごとに危険性や有害性の分類基準、表示方法が異なっていると、同じ化学品であっても評価や取扱いが変わり、誤解や事故、不要な貿易上の障壁が生じるおそれがあります。このような課題を解決するために制定されたのがGHSです。
GHSは、化学品の危険有害性を世界共通の基準で分類し、その結果を統一されたラベル表示やSDSによって伝達することを目的としています。これにより、製造者、輸送業者、使用者、消費者など、化学品に関わるすべての人が、国や言語の違いを超えて化学品の危険性を正しく理解できるようになります。
GHSは2003年7月に国連勧告として採択されたのち、2年に一度改訂されています。2026年2月現在の最新版は2025年に発行された改訂11版です。GHS文書の全文の日本語版は厚生労働省のサイトで確認できます(改訂9版)。
GHSは国際的に共通した枠組みとして定められていますが、それ自体が各国で直接適用される制度ではありません。そのため、各国はGHSの内容を自国の法令や規格に取り込み、国内で運用できる形に整備しています。日本において、その役割を担っているのがJIS(日本産業規格)です。GHSに対応するJIS規格として、以下の二つが存在します。
・JIS Z 7252「GHSに基づく化学物質等の分類方法」
・JIS Z 7253「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」
GHSは世界共通の基準となる枠組みを示すものであり、JISはそれを日本国内で実務として適用するための具体的なルールです。そのため、日本においてGHS対応が求められる場面では、実務上はJISに沿った分類、表示、SDS作成を行うことが重要になります。
JIS Z 7252およびJIS Z 7253は2025年の12月末に改正が行われました。この度の改正では国連GHS文書の改訂9版が元とされ、GHS分類の新しいクラスや、既存の区分の一部変更などが行われました。詳しい内容は後述しています。
国連GHS文書は改訂11版が最新と上で述べましたが、改正されたばかりの最新のJISは改訂9版を元としています。JIS規格は最新のGHSからは少し遅れた版で作成されている状態になっています。
GHS分類では、化学品をそれぞれの危険有害性クラスごとに定められた区分に分類します。危険有害性クラスは物理化学的危険性、健康に対する有害性、環境有害性の3種類に大別されます。さらに、それぞれの種類について、個別の危険有害性が以下のように該当しています。
(2026年追記)
2025年12月末のJISの改正により、物理化学的危険性のGHS分類のクラス及び区分が一部変更となりました。新旧の区分を記載します。2026年以降は新しい区分を用いるのが望ましいでしょう。
危険有害性 | 区分 |
|---|---|
爆発物 | 不安定爆発物、および等級1.1~1.6 |
可燃性ガス | 区分1A,1B,2 |
エアゾール | 区分1~3 |
酸化性ガス | 区分1のみ |
高圧ガス | 圧縮ガス、液化ガス、深冷液化ガス、溶解ガス |
引火性液体 | 区分1~4 |
可燃性固体 | 区分1~2 |
自己反応性化学品 | タイプA~G |
自然発火性液体 | 区分1のみ |
自然発火性固体 | 区分1のみ |
自己発熱性化学品 | 区分1~2 |
水反応可燃性化学品 | 区分1~3 |
酸化性液体 | 区分1~3 |
酸化性固体 | 区分1~3 |
有機過酸化物 | タイプA~G |
金属腐食性物質 | 区分1のみ |
鈍性化爆発物 | 区分1~4 |
危険有害性 | 区分 |
|---|---|
爆発物 | 区分1, 2A, 2B, 2C |
可燃性ガス | 区分1A,1B,2 |
エアゾール | 区分1~3 |
加圧下化学品 | 区分1~3 |
酸化性ガス | 区分1のみ |
高圧ガス | 圧縮ガス、液化ガス、深冷液化ガス、溶解ガス |
引火性液体 | 区分1~4 |
可燃性固体 | 区分1~2 |
自己反応性化学品 | タイプA~G |
自然発火性液体 | 区分1のみ |
自然発火性固体 | 区分1のみ |
自己発熱性化学品 | 区分1~2 |
水反応可燃性化学品 | 区分1~3 |
酸化性液体 | 区分1~3 |
酸化性固体 | 区分1~3 |
有機過酸化物 | タイプA~G |
金属腐食性物質 | 区分1のみ |
鈍性化爆発物 | 区分1~4 |
危険有害性 | 区分 |
|---|---|
急性毒性 | 区分1~5 |
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A,1B,1C,2,3 |
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1,2A,2B |
呼吸器感作性または皮膚感作性 | 区分1A,1B |
生殖細胞変異 | 区分1A,1B,2 |
発がん性 | 区分1A,1B,2 |
生殖毒性 | 区分1A,1B,2 |
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1~3 |
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1~2 |
誤えん有害性 | 区分1~2 |
危険有害性 | 区分 |
|---|---|
水生環境有害性短期(急性) | 区分1~3 |
水生環境有害性長期(慢性) | 区分1~4 |
オゾン層への有害性 | 区分1のみ |
それぞれの区分の判別基準に関しては、複雑なものが多いため個別に解説しています。「GHSに関する記事一覧」から該当する記事をご覧ください。
GHSでは、分類結果に基づき化学品の危険有害性を視認性の高い絵標準で表します。以下にその絵表示のマークと、各マークに対応する危険有害性の区分を紹介します。絵表示はSDSやラベルに記載が必須の要素となっています。記載する際は以下のマークをダウンロードして使用してください。
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
対応する危険有害性の区分
GHSには分類と絵表示に加え、注意喚起語という表示があります。
注意喚起語には「危険」か「警告」の二つの表示しかあ りません。GHSの分類結果に基づき割り当てられるものです。
注意喚起語と分類の対応はGHS文書の付属書1として公開されています。
GHSにはさらに危険有害性情報と注意書きという表示があります。危険有害性情報及び注意書きは2025年末のJIS改正で更新があった要素の一つです。
危険有害性情報は、該当するGHSの区分がどのような危険有害性を持っているかをわかりやすく一文で表したものです。
Hコードと呼ばれる番号で管理されており、例えば「H300:飲み込むと生命に危険」のような形で表示されます。
危険有害性情報は危険有害性のクラスと分類によりどの表示が当てはまるかが決定します。その対応表はGHS文書の付属書3として公開されています。
注意書きは、該当するGHSの区分について、ばく 露時の対応や保管方法などを一文で表したものです。
Pコードと呼ばれる番号で管理されており、例えば「P220:衣類及び可燃物から遠ざけること」のような形で表示されます。
注意書きも危険有害性のクラスと分類によりどの表示が当てはまるかが決定します。その対応表はGHS文書の付属書3として公開されています。
それでは本項では実際に化学品に対してGHS分類を行い、危険有害性を特定する方法について簡単に解説します。
単一化学物質に関しては、基本的にその物質のGHS分類情報が公開されていることがほとんどです。情報を収集する際は、以下のような信頼できる発信元が公開している情報を参照しましょう。
厚生労働省が公開しているGHSに対応したモデルSDSです。労働安全衛生法およびGHS文書に基づく通知対象物質およびその他通知対象外物質の情報が公開されており、化学物質名や化学式、CAS番号での検索が可能です。こちらのリンクから検索サイトに飛ぶことができます。

検索後は以下のようにモデルSDSが表示されます。今回は例としてアクリルアミドのSDSを使用しています。GHS分類はSDSの第2項に記載されていますのでそちらを参照してください。
今回の場合だと、アクリルアミドに該当する危険有害性は、急性毒性(経口)の区分3、急性毒性(経皮)の区分3、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性の区分2A、皮膚感作性の区分1、生殖細胞変異原性の区分1B、発がん性の区分1B、生殖毒性の区分1B、特定標的臓器毒性(単回ばく露)の区分1(神経系)、特定標的臓器毒性(反復ばく露)の区分1(神経系、眼、血液系、生殖器(男性))、水生環境有害性短期(急性)の区分3とわかります。
下部にはそれに対応するGHS絵表示が記載されています。

NITE-CHRIPは「独立法人製品評価技術基盤 機構」が提供している、化学物質に関するデータを統合的に閲覧できる無料のオンラインデータベースです。
こちらのリンクからサイトに飛ぶことができます。トップページにある「お知らせ」欄からはNITE-CHRIPが最新の情報に合わせて定期的にデータを更新していることがわかり、信頼できるサイトであると言えます。
トップページを下にスクロールすると以下のような検索メニューが出ます。ある特定の物質に対する危険有害性を調べる際は、「化学物質から調べる」から行います。

次のページの一番上にある「番号から調べる」の欄にCAS番号を入力します。すると番号に対応する化学物質の情報が表示されます。今回はアクリルアミドのCAS番号である79-06-1で検索を行います。
検索結果画面をスクロールすると以下のように「有害性・リスク評価情報」という欄が表示されます。こちらに各所の物質に関する危険有害性を調査したページがまとめられています。先ほど紹介した厚生労働省のモデルSDSのページも確認できます。

GHSにおいては、既存の公開されている情報を全て集め分類を行うことを想定しています。これらのサイトによって情報を得られなかった場合でも情報を入手する努力義務があり、他にも海外のデータベースとしてEUのCLP調和分類やC&L inventoryなどがあります。ただし、GHSでは分類のために新たな試験を実施するまでは求めていません。必要な情報が入手できず分類ができなかった場合には、その旨をSDSまたはラベルに記載してください。
混合物のGHS分類を行う際は、原料のGHS分類とその含有の割合から製品の分類を推測する方法を取ります。そのため、まずは原料のGHS分類結果を把握する必要があります。その方法としては上記のように公開されている情報を集めるほか、原料の提供先からGHS分類に対応したSDSを入手する手段があります。
原料のGHS分類を把握した後は、それを元に製品のGHS分類を行います。この推測方法についてはそれぞれの危険有害性ごとに判断基準や計算式が示されています。具体的な個別の分類方法に関しては複雑であるため、国連GHS文書を参照するか、「GHSに関する記事一覧」から該当する記事をご覧ください。
混合物のGHS分類では、多くの危険有害性ごとに一つひとつ計算式や判断基準を適応して分類を行わなければならず、かなりの労力と時間を要します。ここに関して、原材料の情報とその含有率から混合物の危険有害性を自動で計算するツールが存在しますので紹介します。
NITE-Gmiccsは先ほど紹介した「独立法人製品評価技術基盤機構」が公開している、無料の混合物のGHS分類およびラベル作成ツールです。SDSに関しては法令と区分の項目しか作成できません。
Nite-Gmiccsは政府によるGHS分類データとCLP調和分類の一部のデータを収載しており、約3000~4000の単一化学物質のデータをもとに混合物のGHS分類を行います。収載されていないデータに関しては手作業で物質情報の入力が必要です。
基本的な機能は混合物のGHS分類およびラベル作成と、部分的なSDSの作成のみであり、SDSの保存や管理はできませんが、無料で全ての機能を使用可能です。

スマートSDSは化学品の構成物質と混合率からGHS分類とSDS作成を自動で行えるツールです。
スマートSDSは政府によるGHS分類データやCLP調和分類のデータなどを含む約70000の物質データをカバーしています。
また、スマートSDSはSDSの全項目を作成可能であるだけでなくデータをクラウド上に保存して管理することができ、後からSDSの検索や法改正時の更新ができます。
さらに、現状お持ちのSDSをPDFデータをもとにスマートSDSのクラウドへ読み込むことができ、そちらを通じたSDSの管理や自動更新対応などが可能です。
UIに関しても直感的に扱いやすいものとなっています。期間限定でお得なトライアルプランもご用意しておりますので、詳しくはお問い合わせフォームよりご気軽にご相談ください。

ラベルに記載すべき情報はGHS分類に依存するものが多いです。日本国内において、ラベル表示は労働安全衛生法、化管法、毒劇法の3法により規定されており、GHSに対応したラベル(いわゆるGHSラベル)であることが求められます。
JIS Z 7253にでは、GHSラベルには一般的に以下の項目を記載することが求められます(ただし、その他法令等によりこれ以外の情報を含めなければならない場合もあります)。
以下のサンプルラベルはスマートSDSを用いて作成したラベルになります。サンプルという名前で、メタノールのラベルを作成しています。

なお、GHSに対応したラベルの記載方法については、別記事「GHSラベルとは? 小分け容器への表示義務や、具体的な作成方法について解説(見本あり)」でGHSやJISに限らず、労働安全衛生法、化管法等も含めて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
SDSでは、GHS分類の結果を第二項の「危険有害性の要約」に記入する必要があります。
この項目の記載内容としては、JIS Z 7253で以下のように定められています。
GHS分類を元にした第二項の具体的な記入方法については別記事「【SDS第2項】危険有害性の要約とは? 危険有害性情報や注意書き、Pコード・Hコードについて実際のSDSをもとに解説」でスマートSDSで作成した実際のSDSを元に解説しておりますのでご利用ください。
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GHS分類はラベル表示やSDS作成をする際に必須の作業となります。これらに関しては労働安全衛生法の改正により義務対象物質が拡大しているため、しっかりと法適合するようにしてください。
ただ、GHS分類およびSDS作成業務は知識があったとしてもかなりの時間と手間がかかる作業であることも事実です。
そこ でおすすめしたいのが、SDS作成・管理クラウド「スマートSDS」です。
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