更新:2025.08.21スマートSDSメディア編集部
SDSに記載が必須となる情報の一つに、第二項の「危険有害性の要約」があります。
こちらの情報はSDSで最も参照される要素であるだけでなく、SDSの第3項以降を作成するベースともなります。
本記事では、「危険有害性の要約」に記載するべき危険有害性情報や注意書きおよび、その調べ方や書き方について実際のSDSをもとにわかりやすく解説します。
また、SDSの作成に限らないSDSライフサイクル全体に生じてくる課題とその解決法についてこちらの資料にまとめています。今後の法改正を考慮した内容となっていますので併せてご利用ください。
SDSとは「安全データシート」の略で、Safety Date Sheet の頭文字をとったものになります。
これは、化学物質および化学物質を含む混合物を譲渡または提供する際に、その化学物質の危険性や取扱方法、保管方法などを提供相手に伝達するために交付されるもので、2025年4月現在では労働安全衛生法等に基づき約1600の物質に対してSDSの交付が義務付けられています。また、今後も法改正によりその義務対象は拡大していくことが予定されており、対象の事業者 は対応が急務となっています。
SDSに関する詳しい情報は別記事「SDS(安全データシート)とは? 交付義務や作成方法、項目について簡単にわかりやすく解説!」をご覧ください。
SDSは16の項目からなります。そのうち第二項に該当するのが危険有害性の要約です。
こちらの項目には、主にGHS分類に基づく対象の化学物質に認められる取扱上の危険性について記述します。
具体的には、以下の情報について記載します。
・GHS分類結果
・GHS分類に基づく絵表示
・GHS分類に基づく注意喚起後
・危険有害性情報(Hコード)
・注意書き(Pコード)
それでは、以下でそれぞれの具体的な記載方法について、SDS作成ツール「スマートSDS」を用いて作成した実際のSDSをもとに紹介します。
GHS分類とは、化学物質を危険有害性の種類・程度により分類し、使用者にわかりやすい形で表示した国連によって定められた分類方法です。
GHS分類では、化学品を物理化学的危険性、健康有害性、環境有害性の3つの観点から分析し、その結果を視認性の高い絵表示によって示します。
GHS分類に関しては、別記事「【2024年最新】GHSとは? 分類方法、区分、絵表示やSDS・ラベルとの関係について簡単にわかりやすく解説」で詳しく解説していますので合わせてご確認ください。
こちらの項目には、GHS分類を行なった結果について、危険有害性の名称とその区分を記載します。
以下は弊社が作成したSDSの一例です。
こちらの例では、GHS分類を行なった結果、引火性液体の区分2、皮膚腐食性・刺激性の区分2、生殖細胞変異原性の区分1B、発がん性の区分1B、誤えん有害性の区分1に該当したことが示されています。