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SDSの読み方や、見るべきポイントをわかりやすく解説!(現場作業員向け)

更新:2025.12.15スマートSDSメディア編集部

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SDS(安全データシート)は、化学物質を取り扱う現場の安全を守るための必須の情報源です。全16項目ありますが、現場作業員の方が特に確認すべきは、2項、4項、6項、7項、8項の5つです。

これらの項目は、日常業務や緊急時における具体的な行動指示に直結しており、作業員が安全に働くための実践的な指針となります。本記事では、これら5項目に焦点を当てて解説します。

2項目:危険有害性の要約

まず確認すべきは2項です。ここでは、GHSの基準に従って分類された、当該化学物質または混合物の危険有害性に関する主要な情報が記載されます。これは、製品ラベルに表示される内容とも一致します。

GHSについては【2025年最新】GHSとは? 分類方法、区分、絵表示やSDS・ラベルとの関係について簡単にわかりやすく解説にて、ご確認ください。

2項の内容

  • 絵表示:「炎」「ドクロ」「腐食」といったGHSシンボルは、言葉が分からなくても、その物質に近づくべきか、特別な注意が必要かを瞬時に判断させる力があります。これは、緊急時や混乱時において特に重要です。
  • 注意喚起語:「危険」「警告」というシンプルな言葉は、リスクのレベルを明確に示します。
  • 危険有害性情報(Hコード):SDSに記載されている「飲み込むと有毒」「高度に引火しやすい」といった、その化学物質が持つ具体的な危険性や有害性の内容を示す定型文のことです。
  • 注意書き(Pコード):SDSの各項目に記載されている「保護手袋を着用する」「火気厳禁」といった危険を回避するための具体的な行動指示のことです。

つまり2項では、現場作業員がどのようなリスクがあるのかを直感的に理解することができます。

4項:応急措置

この項目は、化学物質による事故が発生した際に、被害を最小限に抑えるための初期対応マニュアルです。現場作業員が「もしも」の時に慌てず行動できるようにするための情報があるので、緊急事態に直面した際にも、記載された具体的な手順に従って迅速かつ適切な初期処置を行うことが可能になります。

4項の内容

  • 具体的な対応:「吸入した場合:新鮮な空気のある場所に移動」「皮膚に付着した場合:直ちに多量の水と石鹸で洗い流す」など、取るべき行動が記載されています。

つまり4項では、ばく露経路ごとに取るべき具体的な応急処置の手順が示されており、現場作業員はこれを確認することで、救急隊到着までの初期対応を迷わず実行できるようになります。

6項:漏出時の措置

ここでは、万が一製品をこぼしたり、設備から漏れ出したりした際の、具体的な対処手順がまとめられています。これは、事故による二次被害や環境汚染を防ぐための重要な情報源となります。

6項の内容

  • 人体に対する注意事項:「作業者は必ず保護具(8項を参照)を着用する」といった、作業者自身の身を守るための指示が含まれています。化学物質の漏出時は、まず自分の安全確保が最優先です。また、「関係者以外の立ち入りを禁止する」といった周囲への注意喚起や区域設定に関する指示、換気の確保についての記載もあります。
  • 環境に対する注意事項:「河川や下水溝に流入させない」など、化学物質が外部環境に流出することによる汚染を防ぐための指示があります。
  • 封じ込め及び浄化の方法:漏れ出した物質の特性(液体か固体か、反応性があるかなど)に応じた処理方法が記載されます。「ウエスや砂で拭き取る」「中和する」などの具体的な手順です。

つまり6項では、万が一の化学物質の漏出事故時に、現場作業員が「自分の身の安全確保」「周囲への被害拡大防止」「環境汚染防止」「適切な回収・処理」といった複数の観点から、取るべき具体的な初動対応の手順を理解し、実行するための情報が示されています。

7項:取扱い及び保管上の注意

この項は、製品を安全に使うための日常のルール(火気厳禁、換気など)を現場作業員と事業者が共有し、確実に実行するための行動指針です。事故を未然に防ぐことを目的としているので、7項の指示に従って行動することで、安全な作業環境の維持に直接貢献します。

7項の内容

  • 取扱い:「混ぜるな危険」や「火気厳禁」、「換気を十分に行う」などの具体的な禁止事項や推奨事項が含まれており、現場でのヒューマンエラーを防ぐ役割を果たします。
  • 保管:「直射日光を避ける」や「冷暗所に保管する」など、保管に関する具体的な指示が記載されています。

つまり7項は、現場作業員が、日常業務の中で具体的にどのように行動すれば事故を未然に防げるかを理解し、実行するための具体的な行動指針として活用するものです。

8項:ばく露防止及び保護措置

ここでは、化学物質による健康障害を防ぐための具体的な手段を記載しています。作業中の安全対策の核心情報になります。ここで指定された保護具は必ず着用してください。

8項の内容

  • 設備対策:現場作業員が安全な環境で働くための基盤情報です。作業員は、これらの設備が稼働していることを確認し、適切に利用・維持に協力することで、初めて個人保護具と合わせて確実な安全を確保することができます。
  • 適切な保護具:呼吸用保護具(マスク)、保護手袋、保護眼鏡、保護衣など、必要な保護具の種類が具体的に記載されています。

リスクアセスメントとの関係

労働安全衛生法は、事業者がSDS情報を基にリスクアセスメントを行い、必要な措置を講じることを義務付けています。8項は、この評価に基づいて決定された具体的な安全対策を作業員に指示するための情報として機能します。

リスクアセスメントについては化学物質のリスクアセスメントとは? 対象物質ややり方について簡単に解説に詳しくまとめられているのでご参照ください。

つまり8項は、現場作業員が「どの設備を使い、どの保護具を着けるべきか」を具体的に指示するものであり、作業員はそれらの指示に従い実行することで、法令に基づく安全を確保できます。

まとめ

つまりSDSは、現場作業員さんの「安全」と「健康」を守るための必須の取扱説明書であり、法令に基づいた重要な情報伝達ツールといえます。

SDSには、日常の取り扱い方法から、万が一の事故対応、リスクアセスメントの基盤情報まで、重要な情報が詰まっています。そのため、事業者はSDSの周知・徹底が肝心であり、作業員は記載内容を正しく理解する必要があります。

作業員は、本記事で解説した5つの重要ポイント(2項、4項、6項、7項、8項)をはじめとしたSDS全体の確認をし、指示に従って確実に行動することで、初めて安全な作業環境を維持し、自らの身を守ることができます。

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