SDS管理

新JISと旧JISの見分け方をわかりやすく解説

更新:2026.01.19スマートSDSメディア編集部

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SDS(安全データシート)に関するJIS規格は、2025年12月末に改訂版(JIS Z 7252およびJIS Z 7253の2025年版)が発表されました。そのため、現場では「手元のSDSが新JISに基づくものか、旧JISのままなのか判断しづらい」と感じる場面も増えているのではないでしょうか。
本記事では、新JISの見分けるポイントを一覧でご紹介します。さらに、記載内容だけでは判断がつかない場合の実務的な対処法についても解説します。SDS管理に不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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新JISについて

SDSは、化学物質を安全に取り扱うための基本情報として、国内外で共通フォーマットとして活用されています。そもそもSDSは国連が定めるGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に規定されているものですが、日本国内ではJIS Z 7252およびJIS Z 7253で定められています。GHSは2年ごとに改訂されるのに対して、JISの改訂は4年ごととなっています。JIS Z 7252およびJIS Z 7253の2025年版は、GHSの第9版に基づいて定められたものです。

新JISでは、一例として危険有害性情報(Hコード)の記載が整理されたことに加え、動物試験に依存せずに科学的根拠を高めることができる試験方法(in vitro / ex vivo試験)が、分類判定の材料として使えるようになったのも大きな特徴です。

JIS改訂により、基本的に新たなSDSは新JISに沿った形で作成が求められ、また、旧JISで作成されていた既存SDSは改訂する必要があります。2026年は新JISでの運用が本格開始する初年度となる、新JIS・旧JISが入り混じった形でSDSの提供が行われることが予想されます。SDSを受領する企業(上流企業から原料SDSを調達する化学品メーカー・商社、あるいは、材料・資材として化学品を購入する事業者)にとって、入手したSDSが新JISに沿っているかどうか確認が必要なタイミングも増えてくると思います。そこで、次の章では具体的に実務レベルで旧JIS・新JISを判断する方法を解説します。

見分けるポイント一覧

16項

まず初めに、SDSの16項「参考文献」欄を確認することが、新JIS対応かどうかを判断するヒントになります。16項には、SDS作成時に参照した規格や文書が記載されており、SDSの根拠を示す項目といえます。ここに「JIS Z 7252:2025」「JIS Z 7253:2025」と明記されていれば、新JISに基づいて作成されている可能性が高いと考えられます。形式だけで判断が難しい場合でも、16項を確認することで、新JIS対応の有無を見極めやすくなります。

2項の危険有害性

16項の参考文献欄だけでは新JIS対応か判断できない場合には、2項「危険有害性の要約」に記載されている危険有害性区分にも注目してみるのも有効です。2項は、GHS分類に基づく危険有害性が集約されており、新JISでの変更点が反映されやすい項目です。

新JISでは、物理化学的危険性の分類にいくつかの見直しが行われており、その代表例として「加圧下化学品」が新たに追加されています。この項目が2項に記載されている場合、新JISに基づいて分類が行われている可能性が高いと考えられます。

(筆者がイメージ図を作成)

また、「可燃性ガス」「爆発物」に該当する化学品についても、新JISで区分の分類条件や項目が変更されています。これらの危険有害性区分が記載されており、かつ新JISで変更された区分に該当している場合には、そのSDSは新JIS対応で作成されている可能性が高いと判断できます。

(筆者がイメージ図を作成)

2項のHコード

2項ではさらに、Hコードの改訂も行われています。具体的には、H200,H201,H202,H203,H205の削除に加え、「H209:爆発物」「H210:非常に敏感」といった新たなHコードが追加されています。

ここで、削除されたHコードの内容を確認してみましょう。

  • H200:不安定爆発物
  • H201:爆発物;大量爆発危険性
  • H202:爆発物;激しい飛散危険性
  • H203:爆発物;火災、爆風または飛散危険性
  • H205:火災時に大量爆発のおそれ

このように、削除されたHコードはいずれも爆発物に関する危険有害性情報を示すものでした。また、追加されたHコードについても、主に爆発物に関する内容となっています。爆発物に区分が該当する物質については、分類区分だけでなく、それに対応するHコードにも変更が生じているため、Hコードの有無や内容を確認することは、新JIS対応を見極める一つの指標となります。

つまり、従来のH200~H205が記載されておらず、新たに追加されたH209〜H210が記載されている場合、そのSDSは新JISに対応している可能性が高いと考えられます。

新JISでの詳しい変更内容は【2025年】JIS Z 7252/7253の改正について:SDSやGHS分類の最新規制動向を解説に詳しくまとめているので、ご覧ください。

分からない時の対処法

新JISに対応しているかどうしてもわからないSDSを扱う場合は、まずサプライヤーに確認することが最優先です。たとえば、可燃性ガスの区分2に該当する化学品は、旧JISと新JISで分類条件が異なります。分類条件を誤って理解すると、危険性を過小評価してしまうおそれがあります。

まとめ

新JIS対応SDSの確認は、まず16項の参照規格をチェックするのが基本です。16項だけで判断できない場合は、2項の危険有害性区分やHコードも参考にします。また、SDSの記載内容だけでは新JIS対応か判断できない場合は、必ずサプライヤーに確認しておきましょう表面的な形式や作成年月日だけで判断せず、複数の項目確認を組み合わせることで、安全管理と法令遵守の両立が可能となります。

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執筆者 スマートSDSメディア編集部
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