更新:2025.08.21スマートSDSメディア編集部

2024年4月1日の労働安全衛生法の改正により、リスクアセスメントの対象となる化学物質を製造、取り扱い、譲渡提供するすべての事業場に「化学物質管理者」の選任が義務付けられるようになりました。
この法改正は化学物質を取り扱う企業にとって非常に重要な変化となりました。化学品を製造はせずとも取り扱うことのある商社の関係者からは、「商社はこの義務の対象となるか」といった質問が数多く寄せられています。
そこで本記事では、商社を中心とする卸売事業者の輸入品取り扱いがどのように影響を受けるのか解説します。また、それに関連した輸入品に対するSDS作成義務についても解説しておりますので、ぜひ最後までご覧 ください。
自社が化学物質管理者の選任義務に該当するかどうか判断が難しいケースとしてよくあるのが、「化学品を製造はしていないが取り扱いはしている」といったもので、商社等でよくみられる状況です。
結論として、こういった状況でも商社が取り扱う製品にリスクア セスメント対象の化学物質が含まれている場合は、「化学物質管理者」を選任する義務が発生します。これは国内外問わず対象物質が含有されている製品の流通を管理するための責任があるためです。化学物質管理者については後述します。
リスクアセスメント対象の物質とは、ラベル表示・SDS交付・リスクアセスメント実施が義務である物質を指します。ラベル表示・SDS交付・リスクアセスメント実施の3つに対して義務が定められている物質は共通であり、2024年4月1日の労働安全衛生法改正では896の物質が対象となっています。具体的な物質名は厚生労働省のサイトをご確認ください。
また、リスクアセスメント対象の物質は2026年4月1日までに約2300種まで増加することが予定されています。この変化によって化学物質管理者を選任しなければならない事業場はより拡大することが予想され、該当する商社にとっては対応が急務となるでしょう。(参考:リスクアセスメント対象物のリスト - ケミサポ)

一般的に、化学物質管理者の選任、と聞くと化学品を製造/使用する現場のみで必要になる印象がありますが、商社のように実際に製造/使用はせずに流通させる事業者でも義務対象となっている、というのが本改正のポイントです。
化学物質管理者は労働安全衛生法において「事業場における化学物質の管理に係る技術的事項を管理するもの」として位置付けられています。具体的には化学物質が人体や環境に与えるリスクを最小限にするため、SDS交付業務の管理などのさまざまな安全対策やリスクアセスメントを行います。
化学物質管理者の選任は事業者ごとではなく、事業場ごとに行う必要がある点に注意してください。
商社の場合ですと、商社のグループ全体として化学物質管理者を選任するのではなく、リスクアセスメント対象の物質を扱っている拠点ごとに化学物質管理者の選任義務があります。
「支店・営業所」等の名称で判断するものではなく、実態による判断となりますが、いわゆる営業窓口のみで実態として化学物質管理を行っていない事業場については、選任義務はありません。
化学物質管理者に関する具体的な業務内容や選任の際の資格要件などは別記事「【2024年選任義務化】化学物質管理者とは? 職務や資格要件、講習についてわかりやすく解説」をご覧ください。
商社のように対象化学物質を製造せずに扱っている場合でも、リスクアセスメント対象物質を譲渡または提供する事業場に該当するため、「化学物質管理者」を選任し、適切な管理体制を整える必要があります。
では、そうした場合SDS(安全データシート)はどのように扱えば良いでしょうか。
こちらに関しては、扱っている製品が国内品であるか輸入品であるかによって大きく対応が異なってきます。
国内流通品に関しては、そもそも商社がその製品を扱っている時点で当該製品の製造者が作成したSDSが付属していると考えられます。したがって、国内品に関しては元から製品に付属していたSDSをそのまま使用すれば良いでしょう。
しかし、輸入品に関しては話が変わってきます。化学品を海外から輸入した場合、付属のSDSは大抵の場合英語で記載されています。また、化学品を規制する法律は国によって異なるため、SDSが日本の国内法に対応しているとも限りません。
この場合だと、