更新:2025.08.21スマートSDSメディア編集部

労働安全衛生法では、特に危険有害性の強い一部の化学物質に関して特別規則と呼ばれる個別具体的な管理方法を定めています。そうした特別規則の一つとして、石綿障害予防規則(石綿則)があります。
特別規則はその規制の内容が非常に細かく、難解であると言われます。そこで今回は石綿則について簡単にわかりやすく解説します。より詳細な内容については、政府公開のマニュアルや法令をご覧ください。
石綿障害予防規則は石綿則と呼ばれ、労働安全衛生法に基づき定められた特別規則です。石綿(アスベスト)はかつて建材として広く使用されていましたが、現在は健康障害のリスクから製造、輸入、譲渡、提供、 使用が全面的に禁止されています。石綿則はすでにある建築物等の解体作業や石綿の除去作業を行うにあたって、必要となる石綿対策の措置を定めたものです。
建築物の解体や石綿の除去作業等を行う場合には、以下の石綿対策を行わなければならないことが石綿則で定められています。
本記事ではこれらの手順について解説します。
なお、石綿則では「石綿等」について「石綿もしくは石綿をその重量の0.1%以上含有する製剤等」と定めています。本記事でも「石綿」と表記した場合にはこれにならうものとします。
事業者は、建築物等の解体等を行う際に作業対象の建築物等に石綿を含む建材が含まれていないかを調査しなければなりません。
事前調査は、まずは設計図面の確認や現場での目視確認を行います。目視等による調査で石綿使用の有無が確認できなかった場合には、現地で建材を採取して分析による調査を行うか、石綿含有が不明な建材に関して石綿を含有しているものとみなして作業を行う等の対応をしなければなりません。
なお、分析による調査を行う場合には、「分析調査講習を受講し、修了考査に合格した者又は同等以上の知識及び技能を有すると認められる者」に行わせなければなりません。その要件や、分析方法については厚生労働省の定める「石綿則に基づく事前調査の アスベスト分析マニュアル」を参照してください。
事前調査の際には、国土交通省と経済産業省が公開している「石綿(アスベスト)含有建材データベース」などが参考になります。また、事前調査に関する詳細な方法などは「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」等にも記載がありますので参考にしてください。
現在(2026年以前)、建築物や鋼製の船舶を解体等する作業に関しては、事前調査を以下の要件を満たすものに行わさせなければならないとされています。
なお、工作物に関しては、要件の適用が2026年1月1日以降となります。ただし、それ以前であっても要件を満たすものに調査を行わせることが望ましいでしょう。この石綿則の最新の改正については、別記事「【2026年】労働安全衛生法改正まとめ:化学物質に関する法規制の最新動向をいち早く解説!」でも解説していますので、併せてご覧ください。
①建築物石綿含有建材調査者講習の修了者
② 令和5年(2023年)9月30日以前に日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き同協会に登録されている者
船舶における石綿含有資材の使用実態の調査を行う者で、船舶石綿含有資材調査者講習を受講し、修了考査に合格した者
この規定は、2026年1月1日から適用されます。

事業者は事前調査を行った場合には、以下の項目について記録を作成し、事前調査を修了した日から数えて3年間保存しなければなりません。また、作業場の労働者から見やすい位置への掲示も必要です。
2022年以降、一定の条件を満たす作業に関しては、事前調査の結果を労働基準監督署に提出することが義務付けられました。報告対象となる条件は以下の通りです。
申請は「石綿事前調査結果報告システム