更新:2025.06.26スマートSDSメディア編集部
化学物質管理を取り巻く規制が厳しさを増す中、SDS運用のあり方を見直した「SPC Japan株式会社」。
「必要なときに、自分たちで作れる体制」を求め、スマートSDSメイクを導入。
費用面とサポート面の両立が導入の決め手となり、社内で完結できる仕組みを短期間で実現しました。
世代交代を見据えた“誰でも扱えるSDS作成体制”へ、着実な一歩を踏み出しています。
今回お話を伺ったのは、SPC Japan株式会社 代表取締役社長 中村美奈都さん。スマートSDSメイクを導入したきっかけや、導入後の変化などについてお聞かせいただきました。
── 本日はお時間をいただきありがとうございます。まずはじめに、SPC Japanさんについて簡単に教えてください。
中村さん(SPC Japan):SPC Japanは、2025年に設立設立20周年を迎えた化学製品専門商社です。創業者である父が韓国の化学メーカーとの協力関係を築き、ノルマルパラフィンの輸入販売を開始したことが事業の原点となります。以来、日本国内にとどまらず、日系企業のアジア拠点などにも製品を供給しています。
脱脂洗浄用途に活用されるノルマルパラフィンに加え、発がん性の懸念がある溶剤の代替提案など、産業界のニーズに応じた製品ラインアップを展開しています。精密機器、自動車、半導体、塗料など幅広い業界のニーズに対応しています。
── ありがとうございます。それでは、SDS作成ツールの導入を検討した背景について教えていただけますか?
中村さん:はい。弊社ではこれまでSDS(安全データシート)の作成を自社内で行っていましたが、その多くは過去のSDSを参考にした「手作り」に近い形で運用されていました。
ところが近年、取引先の規制対応が厳格化する中で、お客様から指摘を受けたり、作り直しを迫られることが増えていきました。
「今まで自分たちで作ってきたSDSは、記載内容が不十分なのではないか?」という懸念が顕在化したというのが最初のきっかけです。
── それで、まずはSDSの作成代行をご依頼された・・・という経緯だったのですね?
中村さん:はい。SDSの作成を外注後、納品物とそれまで自社で作成していたSDSを見比べました。結果、全体的に相違する内容が多く「これはちょっとまずいな...」と。このまま自社製のSDSを続けていくと大きな問題にもなりかねないなと思い、自社のSDS運用体制を根本的に見直す必要性を改めて認識しました。
── 最終的な解決策としてスマートSDSを選んだ理由について教えてください。
中村さん:まずは費用面です。
最近は外資系を中心にSDS作成ツールも増えてきていて、いくつか調べたり話を聞いたりしたんですけど、価格がものすごく高かったんですよね。大手向けというか、規模感が大きすぎて。
弊社はクライアントからの要望も多数いただくため試作品も多く扱います。使うかわからない試作品のSDSを、その都度外注費をかけて作成するのは現実的ではない。そんな中、スマートSDSメイクに出会い、「必要な時に、自分たちでSDSを作れる体制を築ける」という点が大きな魅力となりました。
加えて、担当者の丁寧で親身なサポート対応が最も大きな導入の決め手になりました。
SDSの作成業務では、一旦完成しても「 この表現で問題ないか」「もう少し適切な記載方法はないか」といった疑問や質問が次々と生じます。過去に類似サービスを検討した際には、質問を重ねた結果「もう勘弁してください」と対応を断られてしまったこともあったので、「なぜこの表記になるのか」「どういう経緯で修正されたのか」といった部分まで丁寧に説明・サポートしてもらえる点が大きな安心材料となりました。
私たちはSDSのプロではなく、まだまだ勉強中の立場。だからこそ気軽に相談できる存在が必要でした。そのため、単なるツール導入ではなく、信頼できるパートナーがそばにいるという安心感が、導入の最終的な決め手となりました。
── 実際に導入されてからはいかがですか?
中村さん:まずCASナンバーや物質名を入力すると成分情報が出てくる一連の検索機能は、やっぱりとても助かってます。入力情報をもとにした各項への反映ロジックはまだ完全に掴みきれてない部分もあるんですが、使いながら理解が進んでいる感じです。
そして、個人的にすごく良いなと思っているのが、システムが“控えめに提案してくれる”ところなんです。たとえば「この表現の方がいいんじゃないですか?」みたいな案内があって、それを参考にするかどうかはこっちで選べる。押しつけじゃない、あくまで提案ベースというのがちょうどよくて、重宝しています。「ここは手入力で登録したい」と思った所でも、都度柔軟に自由記述で内容登録ができる所も使いやすい点かと思います。
── 最後に、SDSについて今後の展望をお聞かせください!
中村さん:そうですね、現在はどうしてもSDS作成が属人的な業務になってしまっているのですが、将来的にはこれを誰でも対応できる仕組みに変えていきたいと考えています。
実は、会社と してこの春に大きな世代交代があり、社内のメンバーも大きく入れ替わりました。その影響もあって、専門用語が多いSDS業務は新しいメンバーにはまだ難しい部分が多いんです。中には「日本語の説明でも意味がわからない」という声もあるほどで、そこに対する課題感は強く感じています。
だからこそ今後は、スマートSDSメイクの力も借りながら、SDS作成のハードルを下げ、誰もが触れて作成できる環境を整えていくことが目標です。そうすることで、組織としての対応力も高まり、よりスムーズな世代交代につながると期待しています。
無料トライアルや質問、ご要望等も受け付けております。