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自然発火点とは?引火点との違いや、黄リンを例にSDSでの役割についてもわかりやすく解説!

更新:2026.02.27スマートSDSメディア編集部

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化学品のSDSやラベルを確認したとき、「自然発火点」という項目を見かけたことはありませんか?

可燃性物質を取り扱う現場では非常に重要な数値ですが、「引火点」との違いがあいまいなまま理解している方も少なくありません。この違いを正しく把握していないと、火災・爆発リスクの評価を誤る可能性もあります。

この記事では、安全管理の視点から、自然発火点の基本的な考え方、引火点との明確な違い、そしてSDS(安全データシート)における位置づけや実務での活用ポイントまで、わかりやすく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。

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自然発火点

​​自然発火とは、物質が常温の空気中でゆっくり発熱し、その熱が内部に蓄積されて発火点に達し、最終的に燃焼を起こす現象をいいます。もちろん、火花や炎などの点火源は不要です。

そして自然発火点(発火点)とは、空気中で外部の火源がなくても、その物質が自ら発火する最低温度のことを指します。

可燃性物質は、高温になると酸化反応などが急激に進み、火を近づけなくても自然に燃え始めることがあります。


発熱の原因と主な対象物質

  • 酸化:空気中の酸素と不飽和脂肪酸を含む物質が反応して発熱する(乾性油、石炭)
  • 分解:化合物が成分を分解することによって発熱する(ニトロセルロース)
  • 吸着:熱を持っている気体や液体の中の分子が固体に吸着し、熱を解放することによって発熱する(活性炭)
  • 微生物:微生物の働きによる発酵で熱度上昇が起こり発熱する(たい肥、ごみ)

例えば、食用油や工業用油は、高温になると自然発火することがあります。通常の状態で保管されている場合でも、酸化反応による発熱が徐々に蓄積することで、最終的に物質単体で燃え始めることがあります。

特に、消防法第4類危険物(引火性液体)に分類される特殊引火物は自然発火を起こしやすい性質を持っています。また、自然塗料を塗装した時に使ったウエスや布が自然発火し、火災になる事故も起こっています。

そのため、直射日光や高温環境を避けることはもちろん、通気の確保や適切な廃棄方法を徹底するなど、保管・管理方法に十分注意することが重要です。

点火源

点火源とは、可燃物と酸素の反応(燃焼)を開始させるためのエネルギーのことをいいます。

熱源、点火エネルギー、熱エネルギーなどとも呼ばれ、いわば「燃焼のきっかけ」となる存在です。

火気、火花、静電気、摩擦熱等が該当します。

可燃物が存在していても、点火源がなければ燃焼は始まりません。そのため、静電気対策などは、「点火源を発生させない」ことを目的として行われています。

引火点や発火点との違い

引火点

引火点とは、可燃性液体を加熱したときに発生する蒸気が、空気中で点火源(火花や炎)によって着火する最低の温度をいいます。

つまり、「外部の火源がある状態で火がつく最も低い温度」が引火点です。

可燃性液体を徐々に加熱し、火炎を近づけたときに瞬間的に燃えるのに必要な濃度の蒸気を発生する最低温度、とも説明できます。

また、消防法第4類危険物(引火性液体)は、引火点が分類に大きく関わっています。

特に石油類は、引火点の違いによって第1石油類から第4石油類まで分類されており、保管や取扱いの基準も変わります。


つまり、発火点が「火がなくても燃え始める温度」であるのに対し、引火点は「火を近づけたときに燃え始める温度」という違いがあります。

なお、発火点は通常、引火点よりもはるかに高い温度です。

SDSとの関係性

​​自然発火点は、SDSの2項危険有害性区分にある可燃性ガスや、エアゾール、自然発火性液体、自然発火性固体、自己発熱性化学品、水反応可燃性化学品、酸化性液体、の分類に深く関わっています。

これらの区分では、「自然に発火する性質があるか」「どの温度で自然発火するのか」「空気や水と接触した際に発火する可能性があるか」といった物性情報が判断材料となります。

また、自然発火点はSDSの第9項「物理的及び化学的性質」に記載され、火災・爆発リスクの評価や保管条件の設定、リスクアセスメントの基礎データとして活用されます。

つまり、自然発火点は単なる数値ではなく、GHS分類の根拠となり、保管・取扱い方法を決める重要な指標なのです。

黄リンの場合

自然発火点が低い代表的な物質として、黄リンがあります。

「職場のあんぜんサイト」に掲載されているSDSを基に、黄リンの分類情報を見ていきましょう。

  • 自然発火性固体 区分1
  • 引火点:20℃未満
  • 自然発火温度:30℃

ここで注目すべきなのは、自然発火温度が約30℃と極めて低い点です。
これは、夏場の室温や体温に近い温度であり、空気中にさらされるだけで自然に発火する可能性があることを意味します。


さらに、SDS第2項には、次のような注意喚起が記載されています。

「この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。」
「空気に接触させないこと。」
「熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。禁煙。」

特に「空気に接触させないこと」という記載は、黄リンが空気中の酸素と反応して自然発火する性質を持つことを示しています。



加えて、発火点は特別な化学物質だけに存在するものではありません。私たちの身近にある物質にも、それぞれ発火点があります。形状や粒径、含水率、測定方法などによって数値は変動しますが、代表例として次のようなものがあります。

  • 木材:250~260℃
  • 新聞紙:約290℃
  • ココア:約180℃
  • コーヒー:約400℃
  • デンプン(コーンスターチ):約380℃

例えば、粉体は表面積が大きいため酸化反応が進みやすく、条件次第では粉じん爆発のリスクも生じます。ココアやデンプンのような食品であっても、一定条件下では可燃性粉じんとなり得るのです。

まとめ

自然発火点を正しく理解せずに管理を誤ると、物質が自ら発火し、その火が周囲の引火点を持つ可燃物に次々と燃え広がる危険があります。ひとつの発火が、連鎖的な火災へ発展する可能性もあるのです。

また、発火点は特別な化学物質だけの話ではありません。木材や紙、粉体など、身近な物質にもそれぞれ発火点が存在します。つまり、どの職場でも無関係とはいえません。

さらに、混同しやすい自然発火点と引火点の違いを正しく理解することは、SDSの読み取りやリスクアセスメントの精度向上にも直結します。

危険源とならないためにも、物性値を正しく把握し、適切な保管・管理を徹底しましょう。



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執筆者 スマートSDSメディア編集部
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