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爆発限界(可燃限界)とは?爆発下限界/上限界とSDSの読み方をわかりやすく解説!

更新:2026.02.26スマートSDSメディア編集部

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爆発下限界や爆発上限界という言葉を、SDSで見かけたことはありませんか?

「数値は載っているけれど、正直どう読めばいいのかわからない…」という方も多いはずです。

実はこの爆発限界、単なるデータではなく、その物質が“どのように危険か”を読み解くヒントになります。

本記事では、爆発限界の基本から、各数値の読み解き方、そしてSDS第2項・第9項との関係までをわかりやすく解説します。

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爆発下限界/上限界・爆発限界(可燃限界)とは

まず、爆発下限界/上限界・爆発限界の定義は以下の通りです。

  • 爆発下限界:これ以上ないと“薄すぎて”燃えない最低濃度
  • 爆発上限界:これ以上だと“濃すぎて”燃えない上限濃度
  • 爆発限界:爆発下限界~爆発上限界の間の濃度範囲

これらの数値は、「可燃物質がどの濃度で爆発する可能性があるのか」を判断するための指標です。つまり、空気中にその物質がどの程度混ざると危険な状態になるのかを把握するための重要な情報なのです。

爆発は次の3要素がそろうと発生します。

① 可燃物
② 酸素
③ 着火源

このうち、実務で比較的コントロールしやすいのが可燃物の濃度
そのため、爆発下限界・爆発上限界が重要になります。

SDSにおける爆発限界の読み方

具体例で見てみましょう。
トルエン・エチレン・ガソリンの爆発下限界/上限界と蒸気圧の数値等から以下の内容を読み取ることができます。

  • トルエン:爆発下限界 約1.2% ~ 爆発上限界 約7.1%

    →爆発下限界が低い(1.2%)ため、少量でも危険域に達しやすい

  • エチレン:爆発下限界 約2.7% ~ 爆発上限界 約36%

    →爆発可能な濃度範囲が約33%と広いため、一度危険域に入ると抜けにくい

  • ガソリン:蒸気圧 約50~90 kPa(20℃付近)

    →蒸気圧が高いため常温でも蒸発しやすく、空気中濃度が爆発下限界に到達しやすい

つまり、爆発限界の数値は単独で評価するのではなく、下限界の数値、可燃範囲の広さ、使用環境などを含めて総合的に解釈する必要があるのです。

第2項と第9項の関連性

爆発下限界/上限界はSDS第9項「物理的及び化学的性質」に記載されています。
一方、第2項ではGHS分類(可燃性ガス、引火性液体等)が示されます。

ここで重要なのは整合性です。

例えば、

  • 第2項で「可燃性ガス」と分類されているのに、第9項に爆発下限界・爆発上限界の記載がない
  • 爆発範囲が広いにもかかわらず、危険性が軽く扱われている

こうしたケースは注意が必要です。

爆発限界を読み解く際は、下限界・上限界・可燃範囲といった数値に加え、物質の使用環境や濃度変動の可能性も踏まえて考えることが重要です。
その基本的な視点として、以下が挙げられます。

  • 爆発下限界は低いか?
  • 爆発上限界は高いか?
  • 爆発範囲は広いか?


蒸気圧と爆発限界の関連性

蒸気圧は第9項(物理的及び化学的性質)に記載されています。

爆発限界は「どの濃度で爆発が成立するか」を示す指標ですが、その濃度に到達するかどうかは蒸気圧や引火点と深く関係しています。

液体が爆発するためには、まず蒸発して空気と混ざり、空気中の濃度が爆発下限界以上になる必要があります。ここで重要なのが蒸気圧です。

蒸気圧が高い物質は、常温でも蒸発しやすく、空気中の濃度が上昇しやすい傾向があります。そのため、爆発下限界がそれほど低くなくても、実際の使用環境では爆発範囲に入りやすい場合があります。

例えば、ジエチルエーテル(約58 kPa)、ガソリン(約50~90 kPa)、アセトン(約24 kPa)などは蒸気圧が高く、常温でも蒸発しやすい物質です。このような物質は、爆発下限界がそれほど低くなくても、実際の環境では爆発範囲に達しやすい場合があります。

蒸気圧の高い物質例

  • ジエチルエーテル(Diethyl ether)

    蒸気圧:約58 kPa(20℃)
    爆発下限界:約1.9%
    引火点:約-45℃

     →非常に蒸気圧が高く、常温でも大量に蒸発します。
      爆発下限界も低いため、空気中濃度が危険域に到達しやすい代表例です。

  • ガソリン

    蒸気圧:約50~90 kPa(組成により変動)

    爆発下限界:約1.4%

    引火点:約-40℃以下
     →蒸気圧が非常に高く、実務上最もイメージしやすい物質。

      屋外でも蒸気が発生しやすく、着火源があれば爆発・火災につながる可能性があります。

一方、蒸気圧が低い物質は蒸発しにくく、同じ温度条件では爆発範囲に達しにくい場合があります。ただし、温度が上昇すれば蒸気圧も上がるため、安全とは限りません。

また、「引火点」は液体が蒸発し、その蒸気濃度が爆発下限界に到達する最低温度を示します。つまり引火点は、蒸気圧と爆発下限界が交わる温度条件ともいえます。

このように、爆発限界・蒸気圧・引火点はそれぞれ独立した数値ではなく、相互に関連しながら危険性を形成しています。SDS第9項を確認する際は、これらの数値を個別に見るのではなく、関連性を意識して読み解くことが重要です。

まとめ

爆発下限界・爆発上限界は、単なる数値として見るのではなく、
その物質がどのような条件で爆発し得るのかを理解するための指標です。
数値の大小だけで判断するのではなく、可燃範囲や使用環境などを踏まえて、総合的に読み解くことが重要です。

さらにSDS第9項の数値を理解することで、第2項の分類の妥当性まで確認できます。
爆発限界を“読む力”が、SDS管理の質を高めることができるのです。


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執筆者 スマートSDSメディア編集部
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