更新:2026.02.10スマートSDSメディア編集部

危険物の運搬を依頼する際には、「イエローカード」および「SDS(安全データシート)」の準備が必要になります。危険物輸送は、万一事故が発生した場合、人命や積荷、道路、さらには周辺環境に影響を及ぼすおそれがあります。こうしたリスクへの対応として、事故発生時の初期対応に関する情報を整理した資料がイエローカードです。本記事では、SDSとの関係性を踏まえながら、イエローカードの役割とポイントについて解説します。
イエローカード(A4判・表裏)とは、「緊急連絡カード」とも呼ばれ、化学物質の輸送時における事故への備えを記した資料の一つです。輸送関係者に加え、消防・警察が事故発生時に取るべき措置、緊急連絡先・連絡内容などが整理されています。

イエローカードには、事故時の対応に関連して、以下のような事項が記載されています。
これらの情報を一枚で確認できるのがイエローカードです。
SDSに記載された情報をもとに、事故対応に必要な要点を現場向けに整理することで、万一の際にも迅速かつ適切な対応を可能にし、被害の拡大防止に貢献します。
イエローカードとSDSは、それぞれ目的や使用される場面が異なる資料ですが、相互に関連付けて運用されることが適切です。SDSは、化学物質の危険有害性や取扱い上の注意事項、保管・廃棄方法などを示した資料であり、化学物質の管理に必要な情 報全般が書かれています。
一方、イエローカードは、SDSに記載された情報のうち、輸送中の事故対応に関係する項目を抽出・整理したものとして位置づけられています。SDSの内容をそのまま持ち出すのではなく、事故発生時に現場で必要とされる情報に絞り込むことで、限られた時間で参照しやすい形式となっています。
そのため、SDSの内容に変更が生じた場合には、イエローカードの記載内容についても整合性を確認することが推奨されています。両者を関連付けて管理することで、事故時の対応準備や情報共有が円滑になり、より安全な化学物質輸送の運用につながると考えられます。
輸送される危険物は、法令に基づき種類ごとに分類されており、それぞれに応じた取り扱いや管理が求められます。主な分類として、以下のようなものがあります。
これらの分類は、輸送中の事故や漏洩のリスクを考慮して、安全な管理方法や適切な輸送手段を選ぶうえで有用な情報となります。また、SDSやイエローカードには、物質の特性に応じた応急措置や連絡先が整理されており、種類ごとの危険性を理解したうえで活用することが推奨されます。
消防法については こちらの記事でまとめていますので、参照ください。
イエローカードでは、化学物質の危険性や有害性を現場で素早く把握できるよう、現場で使うべき情報が整理されています。ここでは、危険性の有無のチェックポイントの一つとして、危険性と有害性を紹介します。
これらの情報は、イエローカードに整理されていることで、現場ですぐに確認でき、事故発生時の初動対応の判断を支える手がかりとして活用できます。事故の状況に応じてどの危険性や有害性に注意すべきかを一目で把握できる点が、輸送現場での大きな利点です。
イエローカードは、輸送現場で化学物質の危険性や有害性を迅速に把握するために役立つドキュメントです。SDSに基づき事故対応に必要な情報が整理されているため、現場で一目で危険ポイントや初動対応を確認でき、事故発生時の判断を支える手がかりとなります。また、危険物の種類や性質ごとに整理された情報を活用するためにも、危険物の分類について理解しておくことが求められます。SDSと併せて管理・活用することで、情報の整合性を取りつつ、輸送関係者や緊急対応機関が適切に行動できる可能性も上がります。イエローカードを正しく理解し活用することは、少量危険物輸送の安全性向上に直結する取り組みと言えるでしょう。