更新:2026.09.10スマートSDSメディア編集部

平岡ボデー株式会社
高橋様・辻村様(管理部)、深谷様(技術部)
自動車部品のプレス加工や溶接加工を手がける平岡ボデー株式会社。同社では、機械安全への取り組みを進めるなかで、化学物質についても管理体制の強化を進めてきました。
法改正を契機に「スマートSDSチェック」を導入し、社内で保有するSDSを一元化。取引先からの成分調査では、従来約1週間かかっていた作業を約2時間で完了しました。
現在はSDSのデータ化を終え、本格的な運用を始める段階です。今後は社内教育や役割分担の整備を進め、現場でリスクアセスメントを実施できる体制を目指しています。
今回は、管理部の高橋さん、辻村さん、技術部の深谷さんに、取り組みの背景や導入後の変化、今後の展望について伺いました。
―はじめに、平岡ボデー様の事業と、皆さまの担当業務について教えてください。
高橋さん: 当社は1952年に創業し、鉄板のプレス加工や溶接加工を中心に、自動車部品を製造しています。鉄板をプレス機で成形し、溶接して部品に仕上げることが、当社のものづくりの中心です。
私たちが所属する管理部では、採用や経営管理、受発注に関するデータ処理、社内システムに関する業務など、会社運営を幅広く支えています。化学物質管理もその一つです。
深谷さん: 私は技術部の営業技術に所属し、取引先との調整や、プレス加工前の技術的な検討を担当しています。現在は取引先からの調査依頼や、化学物質に関する業務にも携わっています。
管理部と技術部で所属は異なりますが、現在は教育チームとして化学物質管理に関する社内教育や周知を進めています。
―化学物質管理をさらに強化することになった背景を教えてください。
高橋さん:当社では、プレス機や溶接設備を扱っているため、挟まれや巻き込まれといった機械によるリスクに対して、以前から継続的に安全対策を行ってきました。また、現場で使用する油剤や塗料についても、SDSを保管するなど必要な対応を進めていました。
機械設備の安全対策について労働安全コンサルタントの方から助言を受けるなかで、化学物質についても、SDSを保管するだけではなく、危険性や有害性の確認からリスクアセスメント、低減措置の実施、結果の記録・周知までを一連の流れとして運用していく必要があると考えるようになりました。
その後、法改正によって会社として求められる対応がより明確になったことを受け、安全衛生委員会での周知や勉強会を進めながら、化学物質管理の運用方法を改めて整理していきました。

―現場への展開に向けて、どのような取り組みを行いましたか。
高橋さん: 製造部の工長や班長が、自分たちの現場でリスクアセスメントを行える状態を目指し、労働安全衛生コンサルタントによる勉強会やレクチャーを実施しました。
ただ、工長や班長には本来の製造業務があります。定期的に時間を確保し、専門的な内容を学び続けてもらうことは容易ではありませんでした。
参加者を絞るなどの工夫もしましたが、勉強会だけで現場全体へ展開し、日常業務として定着させることには難しさがありました。
化学物質管理では、SDSに記載された情報や関連法令を確認し、必要な対応を判断しなければなりません。現場の担当者が、本来業務と並行して一つずつ調査することも大きな負担です。
教育だけでなく、必要な情報や業務の流れを示し、現場が参加しやすい仕組みが必要だと考えました。
―ツールの活用を検討した経緯を教えてください。
高橋さん:一部の担当者に業務が属人化することを避けるため、ツールを使って無理なく進められないかと考え、労働安全衛生コンサルタントの方に相談し、紹介していただいたのがスマートSDSチェックです。
それまでは、受け取ったSDSをPDFで保管していました。必要な情報を確認する際には、関係するファイルを探し、一つずつ開いて内容を確認する必要がありました。
スマートSDSチェックでは、SDSをアップロードすると、成分や法令に関する情報がデータとして整理されます。SDSを保管するだけでなく、問い合わせ対応や日常的な管理に活用できる点に魅力を感じました。
―スマートSDSチェックを活用することで、どのような運用を目指していましたか。
高橋さん:目指していたのは、単にSDSを保管することではなく、確認した情報をその後の対応やリスクアセスメントへつなげられる状態をつくることです。
ツールを共通の基盤にすることで、SDSをどこに登録し、どの情報を確認し、リスクアセスメントへどうつなげるのかという一連の流れを整理できると考えました。
法令に該当する物質などをツール上で確認できれば、専門知識が十分でない担当者にとっても、必要な対応を考える助けになります。まずはSDSを確認・活用できる環境を整え、そこから現場でのリスクアセスメントへ広げる方針でした。

―新しい仕組みを取り入れるにあたり、社内にはどのように必要性を伝えましたか。
高橋さん: 新たに有料ツールを導入するにあたって、理解を広げるきっかけの一つが、当社の溶接作業に関係する溶接ヒュームへの対応です。作業主任者を配置するための講習も行い、化学物質の危険性や管理の必要性を学ぶ機会を設けました。
自社の作業と結びつけて必要性を伝えたことが、取り組みを進める後押しになりました。

―導入後は、どこから取り組みを始めましたか。
高橋さん: まずは、社内で保有するSDSを集め、スマートSDSチェックへ登録しました。
以前は各部署や担当者がSDSを個別に保管していたため、必要なSDSがそろっているか、どこに保存されているかを確認するところから始める必要がありました。
スマートSDSチェックに取り込むことで、SDSを一か所に集約し、必要な情報を検索できる環境を整えました。
―導入効果を実感した出来事を教えてください。
深谷さん: 取引先から、特定の化学物質を含む製品を使用しているか確認する調査依頼がありました。
以前であれば、関係するSDSを探し、一つずつ開いて成分を確認する必要があります。調査に集中しても1〜2日、通常業務の合間に進める場合は、回答までに約1週間かかる作業でした。
今回は、スマートSDSチェックに登録したSDSをCAS番号で検索し、対象成分が含まれているかを横断的に確認しました。その結果、約2時間で対応を完了できました。
回答期限のある依頼だったため、短時間で確認できたことは大きな効果でした。
高橋さん: 取引先からの調査依頼は、今後も増え る可能性があります。SDSをデータとして蓄積し、横断的に検索できる状態を整えることは、迅速な回答と確認作業の負担軽減につながると考えています。

―SDSを管理する基盤が整ったことで、今後はどのような取り組みを進めていく予定ですか。
高橋さん:これまでは、SDSを収集してスマートSDSチェックに登録し、データとして管理できる状態をつくることを中心に進めてきました。SDSの取り込みを終え、本格的な運用を始めるための土台が整ったため、今後は登録したSDSを実際の作業に対するリスクアセスメントへつなげていきます。
化学物質のリスクアセスメントを支援する「CREATE-SIMPLE」でリスクアセスメントを行い、その結果と使用するSDSをスマートSDSチェックで管理する流れを、社内の標準的な運用として整理していきます。
―現場への展開は、どのように進めていく予定ですか。
高橋さん:購買部門、製造部門、管理部門など、関係する部門ごとの役割を明確にする必要があります。
SDSを入手する担当、現場でリスクアセスメントを行う担当、判断が難しい場合に支援する担当を整理し、関係者が共通認識を持つことが重要です。
まずは現場を監督する工長や班長を中心に、化学物質管理の流れやツールの使い方を理解してもらい、その後、より現場に近いメンバーへ段階的に広げていく計画です。
辻村さん・深谷さん:私たちも化学物質の危険性やリスクアセスメントへの理解を深め、現場から相談があった際に、一緒に対応を検討できるようになりたいと考えています。
ツールの活用と社内教育を進めながら、教育チームとして窓口となって現場を支えられる体制を整えていきます。

SDSの一元管理を、単なる業務効率化で終わらせず、現場でリスクアセスメントを進めるための体制づくりへつなげている平岡ボデー株式会社。
スマートSDSチェックによって、社内に点在していたSDSを集約し、必要な情報を確認・活用できる基盤が整いました。
今後は、ツールの活用と社内教育を進めながら、特定の担当者に頼ることなく、現場が主体となって化学物質管理に取り組める体制を目指します。
※ 掲載内容は取材当時のものです。
スマートSDSチェックは、SDSをデータ化して一元管理し、最新版の管理や法令情報の確認、リスクアセスメントの実施・証跡管理を支援します。
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