導入事例

【スマートSDSチェック導入事例】約2,900件のSDS管理と法改正対応をAIで効率化。年間約800時間の削減と「自律的な化学物質管理」への組織改革を推進(株式会社PILLAR様)

更新:2026.09.04スマートSDSメディア編集部

【スマートSDSチェック導入事例】約2,900件のSDS管理と法改正対応をAIで効率化。年間約800時間の削減と「自律的な化学物質管理」への組織改革を推進(株式会社PILLAR様)の記事本文サムネイル

株式会社PILLAR
三田工場管理部 安全環境グループ
古井様 宇野様

流体制御技術をコアに、産業界のインフラや先進技術を支える株式会社PILLAR。

同社の主力工場である三田工場では、約2,900件におよぶSDS(安全データシート)の管理と、2024年の労働安全衛生法改正に伴う、化学物質リスクアセスメントの義務化への対応という大きな節目を迎えていました。

長年、専門性の高いベテラン社員が支えてきた管理基盤があったものの、時代の変化とともに、より多くの社員が管理に関われる体制づくりが急務となる中、同社が導入したのが「スマートSDSチェック」です。

導入に至った経緯や選定の決め手、年間約800時間の削減効果を見込む定量成果、化学物質の使用可否における専任部署への依存から、「現場が自律的に化学物質を管理する組織」へと体制を整える過程について、三田工場管理部 安全環境グループの古井様・宇野様にお話を伺いました。


課題

  • 法改正に伴う化学物質のリスクアセスメント対応と、約2,900件におよぶSDSの棚卸し作業が膨大になっていた
  • 化学物質に詳しい社員の引退や法規制強化のタイミングが重なり、脱属人化を進め、「形式知化」と「標準化」を推進することが急務になっていた
  • 化学物質の使用許可やリスクアセスメント実施・管理が安全環境グループ中心であり、現場主体の「自律的管理体制」を整える必要があった

選定理由

  • 複雑すぎず必要十分な機能が搭載されており、導入・運用コストが適正であった
  • AIによるPDFからの自動データ抽出が、膨大なSDSの棚卸しと管理の効率化に寄与した
  • 高度な専門知識を必要とせず直感的にリスク評価が可能で、かつリスクアセスメントの全体進捗を一覧で証跡管理できる構造であった

効果

  • 年間約800時間相当の確認・管理業務の削減効果を試算
  • 最新法令の照合や分類チェックが自動化され、高度な専門人材に頼らない管理体制を構築
  • 実際に作業を行う現場の方々が自分たちでリスク評価を行う、「自律的管理体制」への移行を推進

船のパッキンから半導体分野まで。流体制御でモノづくりを支えるPILLARの歩み

ーはじめに、株式会社PILLARの事業内容について教えてください。

古井様:

弊社は、船舶用エンジンのパッキンを開発したところからスタートした会社です。

水や油、危険な薬液、ガスといった流体を制御する技術を中心に成長を重ねてきました。現在では発電所などのエネルギー分野や化学産業、さらには半導体製造装置向けの電子機器関連など、幅広い産業分野に流体制御関連製品を提供しています。

ー安全環境グループの組織体制や、普段どのような業務を担われているのか教えてください。

宇野様:

大まかな業務としては安全と環境の二つに分かれています。安全の領域では、安全衛生委員会などの会議体の運営を通じて、現場のリーダー層が主体的に安全を維持できる「仕組み」を整えることが重要です。

私は両方の領域を横断的に見ていますが、現場を巻き込んだ活動の推進に重きを置いています。

古井様:

私は主に環境面を中心に担当していますが、環境業務には昔から求められている側面と、現代的な側面があります。

昔からというのは工場から外部への排出物管理や、労働者の働く環境改善といったテーマで、化学物質のリスクアセスメントもここに含まれます。一方で現在は、ESG経営や持続可能な企業活動といった、より現代的な視点での対応も不可欠になっています。

こうした幅広い視点を持ちながら、持続可能な工場運営の基盤を支えていくことが私たちの役割です。

約2,900件のSDSをツール上で管理。現場が主体的に法改正に対応できる体制へ

ー「スマートSDSチェック」の検討を始められたきっかけについて教えてください。

古井様:

最大のきっかけは、近年の化学物質に関連する法令改正です。

それまでの化学物質管理は「国が指定した禁止物質を使わない」という受け身の対応が中心でしたが、制度の改正により、事業者自らがリスクアセスメントを行い、自律的に管理していく方針へと大きく変わりました。

ー法改正への対応において、どのような課題があったのでしょうか。

宇野様:

それまでは高度な専門知識を持つベテラン社員が、法令照合や管理を支えてくれていました。しかし、私たちは安全環境業務全般を兼務しており、化学物質管理のみを担当しているわけではありません。

今後は誰でも適切に管理できる体制へとアップデートしていく必要性を感じていました。

古井様:

加えて、現場の方々が自律的に化学物質管理を推進する体制を整えるには、出来るだけ簡易にリスク評価を行えたり、その評価が実際にどこまで行われているかを一覧で管理できる仕組みが必要になると考えていました。

昨年の労働安全衛生に関する展示会「緑十字展」にて、まさにそういった仕組みを提供してくれそうな「スマートSDSチェック」が出展されていたため、お声がけしました。

コスト体系と必要な機能のバランスが選定の決め手に

ー数あるサービスの中から「スマートSDSチェック」をお選びいただいた決め手は何でしたか。

古井様:

比較検討の際に重視したのは、「当社に必要な機能が、納得のいく料金体系で提供されているか」という点です。

管理対象となるSDSが約2,900件と非常に多く、その中には重複や現在は使用していないものも含まれていました。そのため、1件単位でコストが発生するモデルよりも、当社に既にある膨大なSDSを、AIのみで効率的にデータ抽出・管理できる仕組みが、当社の運用状況にはより適していると考えました。

SDSは改訂も頻繁に行われ、SDS管理件数の増加は当社側でコントロールできない中で、従量課金の体系は厳しいと感じました。

ー機能面ではどのような点を重要視されましたか。

古井様:

現場の職長や班長が、複雑な工程を経ることなく直感的にリスクアセスメントの条件入力や評価を実施できる、効率性の高さに注目しました。

また、誰がどの作業に対してどのような評価を行い、その評価が現在完了しているのかといった進捗状況まで、管理側が一元的に把握・管理できる点も、当社の目指す方向性に合致していると判断しました。


DX・AI推進の方針に基づき、年間約800時間の削減効果を提示

ー導入にあたって、社内での説得や手続きで工夫された点はありますか。

古井様:

社内には当然、化学物質管理を専門に担当されていない方もいらっしゃいますので、まずは「なぜ今このツールが必要なのか」「放置するとどのようなリスクがあるのか」を丁寧に説明することから始めました。

その際、従来の読込・確認作業と「スマートSDSチェック」導入後での工数を比較し、年間で「約800時間」の作業時間が削減できるという定量的な効果を試算して提示しました。

ー経営陣からの反応はいかがでしたか。

宇野様:

ちょうど社内で社長を中心に「ITやAIを活用して業務を効率化しよう」という方針が打ち出されていた時期でもありました。

実際の画面を見せながら「AIがSDSを読み込み、最新の法令に抵触している部分を自動で検出できる」というデモンストレーションを行ったところ、役員の方からも非常に高い評価を得ることができ、スマートSDSチェックの導入を了承いただきました。

「現場が自律的に管理する」組織へ

ー導入後、社内の業務体制や意識にはどのような変化がありましたか。

古井様:

単にツールを導入しただけでなく、会社の管理規程そのものを大きく見直しました。

以前は、国が定めた個別規制のもとに安全環境グループが化学物質管理を一括して引き受ける管理体制でした。労働安全衛生法改正での方針転換、自律的な管理を目指した現場の実態に即したリスクアセスメントの実施には、改善の余地があると感じていました。そのため、現場の作業環境に潜むリスクを、実際に作業を行う方々が主体的に捉え、管理していくための仕組みづくりが課題となっていました。

規程を改定して以降、各現場の職場安全衛生推進委員や職長・班長が主体となって化学物質の使用量や使用条件を入力し、自らリスクアセスメントを行う運用へ少しずつ移行しています。

「スマートSDSチェック」は、専門知識の有無にかかわらず、ガイドに沿ってリスクアセスメントを行うことができます。現在は「自律的な化学物質管理」の実現に向けて、現場の方々が主体となってツール上でリスク評価を行い、その実施状況を適切に管理できる、新たな体制づくりを進めている最中です。

工場内で使用されている化学物質を「可視化」し、さらに強固な安全体制へ

ー化学物質管理業務において、今後取り組んでいきたいテーマや展望をお聞かせください。

古井様:

最終的には、工場内の化学物質を「マップ化(可視化)」して、どこにどんな化学物質があるのかを誰でも一目で把握できる状態を目指しています。

スマートSDSチェックではリスクアセスメントを実施する際に、SDSや物質を扱う作業場所を紐づけていくことができますので、まずはこの仕組みを活用して、工場の中で使用されている化学物質を極めて精緻に把握したいと思っています。

将来的にエリアの詳細まで管理できるようになれば、防災や安全管理の精度は格段に上がります。ツールを上手く使いこなしながら、安全の土台を一つひとつ作り上げていければと考えています。



リスクアセスメントやSDS管理が、一部の担当者に集中していませんか?

スマートSDSチェックは、リスクアセスメントの実施やSDSの管理業務を効率化し、自律的な化学物質管理組織の実現を支援します。

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